事例紹介:従業員を守るための騒音対策。クリーンルーム常設の工場で防音工事

製造現場における騒音は、作業効率の低下や従業員の集中力への影響など、多くの課題を引き起こします。
今回ご紹介するのは、クリーンルームを常設する工場で、稼働中の機械音を大幅に低減し、
作業環境の改善を実現した防音工事の事例です。
防音性能と作業効率を両立する設計で、従業員の安全と快適な作業空間づくりを支援しました。

【ご依頼】 作業環境改善を目的とした防音ボックスの設置

ご相談をいただいたのは、クリーンルームを備えた製造工場様。
稼働中の機械が発する騒音は最大で約105dBに達しており、
作業員がヘッドホンを着用しなければならないほどの環境でした。
従業員の負担を軽減したいというご要望のもと、防音ボックスの設置をご依頼いただきました。

【施工の課題】 クリーンルームでの防音工事。作業効率に配慮した防音設計

今回の事例では、機械が稼働していない工場の休業日に設置作業を行いました。

●課題1 クリーンルームでの施工対応
クリーンルーム内での施工は粉塵や汚れの発生を抑えるため、溶接や切断などの作業を最小限にする必要があります。
そのため、防音パネルや骨組みを事前に製作し、現地では組立を中心とした施工方法を採用しました。
やむを得ず現場で加工を行う際も、周囲の設備を厳重に養生し、清浄環境を保ちながら慎重に作業を進めました。

●課題2 外から目視可能な点検用扉の設置
お客様からは「防音ボックスの外からでも機械の稼働状況を確認できるようにしたい」というご要望がありました。
加えて、既存の点検用階段や通路を妨げないレイアウトも求められました。
防音扉の開口部は気密性を損なう原因になりやすいため、扉の開閉時にも防音性能を維持できるよう設計を工夫。
さらに、扉を閉めたままでも内部を確認できるように材質の検証を実施しました。

ガラス・防音シート・ポリカーボネイトを比較検討した結果、
軽量でコストパフォーマンスにも優れたポリカーボネートを採用。
これにより、防音性と視認性を両立した設計を実現しました。

【施工後の防音効果】 騒音レベルを約20dB低減、作業環境が大幅に改善

防音工事の結果、騒音レベルは約105dBから約85dBへと約20dBの低減を達成しました。
対象の機械単体での防音効果は顕著で、お客様からは「かなり静かになった」との声をいただいています。
従業員の方々が安心して作業に集中できる環境づくりを実現した、効果の高い防音事例となりました。

鉄骨のプロであり、経験豊富な一級建築士がいるダイワ工業では、クリーンルーム常設の工場など、
特殊な環境にも対応可能な騒音対策をご提案しています。
機械の騒音にお困りの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
工場の環境に合わせた最適な騒音対策で、安全で快適な作業空間づくりをサポートいたします。

>>騒音問題を根本から解決する防音設備工事


防音工事情報
施工内容:一部脱着式(凡そ50%)その他固定及び扉仕様
施主:F社様
規模:幅約2.2m×奥行約5.7m×高さ約4.4m
取り付け工事日数:2023年12月〜2024年1月のF社様工場休業日に施工