工場の機械の土台が不安定で事故の恐れが。安定操業のために修繕工事でできること【改修・修繕工事事例】

“働く現場目線”の修繕工事を行うダイワ工業では、
工場・倉庫・店舗といった事業系鉄骨建築の新築や改築、修繕等を直営工事で行っています。
今回は、浮いてしまった機械の土台かさ上げ事例をご紹介します。

工場の機械と土台の間にすき間が発生。不安定な状態の放置は危険【プロジェクト概要】

今回ご紹介するM社様は、茨城県大洗町でゴミ処理等を行う工場施設。
既存の機械を新しいものに入れ替えた際、機械と設置土台の間にすき間が生じてしまったそうです。不安定なまま機械を稼働していましたが、大きな事故になる前に何とかしたいとのご依頼でした。

見つかった課題

  • 新設した機械と土台とのすき間は約20㎝。M社様ではジャッキで応急処置をしているが、このまま長期稼働した場合、事故につながる恐れがある。
  • 機械があるのは地下2階でエレベーターなし。資材の搬入等はすべて階段を使い人力で行わねばならない。
  • あとに別の工事が控えているため、スケジュール厳守での工事が求められた。

ダイワ工業の【提案・施工】

大型の機械であることから、ジャッキでの応急処置は大事故や工場の稼働停止にもつながると判断。
機械と土台のすき間をうめるのは、コンクリートやモルタルが一般的。
しかし、これらは収縮する性質があるため、今回は「無収縮モルタル」の使用をご提案。

工程・スケジュール厳守のため、スタッフの役割分担を明確にし、時間・コストともに無駄のない作業を試みた。

工場内の機械をジャッキで上げている、不安定で危険な状態

茨城県の太平洋沿いに位置する大洗町は、海辺の自然に恵まれた風光明媚な町。
この地でゴミ処理等を行うのがM社様です。

古い機械を新しいものに入れ替えた際、機械自体の大きさが変わったことと
配管のルートも変わったために、機械そのものを約20㎝かさ上げせざるを得なかったそうです。
応急処置として機械をジャッキで上げて稼働を続けたそうですが、鉄製の機械はかなりの重量があり、いつまでもジャッキで持ち堪えられるものではありません。
地震などをきっかけに、機械がずれたりジャッキがはずれる危険性もあります。
また、そうした緊急時には機械が停止するため、操業にも支障をきたします。

操業をストップさせない。機械を稼働させたまま恒久的な土台作りへ

写真左:無収縮モルタルを流し込む作業
写真右:型枠の中に隙間なく無収縮モルタルを流し込んだ状態

M社様のご要望もあり、機械は現状の位置で稼働を続けたまま、土台作り工事をすることに。
土台への充填素材としてモルタルやコンクリートを避けたのは、これらには収縮する性質があり、再びすき間が生まれる懸念があるためです。
今回選んだ「無収縮モルタル」なら、そうした不安は回避できます。

人力での資材搬入もOK、予定の1週間で工事完了

まずは機械の土台部分に木材で型枠を作り、そこに「無収縮モルタル」を流し込むというのが作業手順。
「無収縮モルタル」は、例えるならスムージーのようにとろっとした濃度のある液体。なので型枠にすき間があると、そこからモルタルがもれてしまうのが難しい点です。

精度のよい型枠を作ることはもちろんですが、ほんの少しのすき間にもシール剤を充填するといった工夫を施し、工事期間1週間ほどで現状の機械の高さに合った恒久的な土台が完成しました。

機械が安定し、長期的な稼働に不安がなくなったとM社様。
ゴミ処理施設は、地域の衛生的な生活や環境の維持になくてはならないものです。
だからこそ、機械の稼働を止めずに工事を行うのも、我々修繕業者の努め。

今回のように人力での資材搬入が必要なケースや、日程に制限のあるケースでも、ダイワ工業ではできる限りお客様のご要望に沿って、工場・倉庫・店舗の修繕工事を進めてまいります。

修繕工事情報

概要 詳細
施工内容
施主 M社様
所在地 茨城県大洗町
業種 ゴミ処理 ほか
規模 平面積 約3㎡ 深さ 約20㎝
工事日数 1週間

修繕工事の関連事例はこちら

防火区画壁に開口部を設置。 火気作業のない施工法で【改修・修繕工事事例】

鉄骨建築で
快適な社内環境を創造する

より良いものをより長く提供する

鉄骨建築や施工をご検討の方はお気軽にご相談ください。意匠・構造・施工、3人の一級建築士が計画・検討していきます。