工場や倉庫で湿気対策は必要?埼玉の梅雨の特徴と対策方法を徹底解説!

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梅雨時期、工場や倉庫内で「なんだか空気が重い」「製品にカビが…」といった経験がある方は多いのではないでしょうか。埼玉県のような内陸地域では、湿度が高くなる梅雨の時期に、湿気による被害が集中しやすい傾向があります。湿気はただ不快なだけではありません。カビやサビ、漏電、事故など深刻な被害をもたらすリスクがあります。

この記事では、埼玉の梅雨の特徴と工場・倉庫での効果的な湿気対策について、実例を交えてわかりやすく解説していきます。工場や倉庫での湿気対策の知識が身につくため、ぜひ最後までご覧ください。

埼玉の梅雨の特徴


埼玉県は、関東地方の内陸部に位置するため、梅雨の時期には「高温多湿」の環境になりやすいのが特徴です。熊谷地方気象台によると、例年6月上旬から7月中旬にかけて梅雨入りし、特に6月下旬から7月上旬にかけて湿度が非常に高くなります。

この時期は気温も上昇し、最高気温が30度を超える日も珍しくありません。湿度が70%を超える日が続くと、工場内の機械設備や保管商品への影響が顕著になります。そのため、湿気による被害が発生しないように対策が必要です。

工場や倉庫で湿気対策を怠るリスク

湿気対策を怠ることで、以下のような深刻なリスクが発生します。

  • カビの発生
  • ダニの増加
  • 床が濡れて事故が起こる
  • 設備・製品にサビや腐食の発生
  • 漏電

ここでは、それぞれのリスクについて詳しく解説します。

カビの発生

梅雨の時期は湿度が高いため、カビの発生リスクが飛躍的に高まります。カビが繁殖しやすいのは、倉庫内での保管物や工場内の壁面・天井など空気が滞りやすい場所です。また、雨漏りで天井や壁に水分がつくことで、カビが発生することもあります。

カビの胞子は空気中に浮遊し、吸い込むことで作業員の健康にも悪影響を及ぼす恐れがあります。さらに、カビが製品に付着すると品質劣化の原因となり、顧客クレームやリコールにもつながりかねません。

ダニの増加

高温多湿な環境はダニの繁殖にも適しています。特に紙製品や布製資材、木製パレットなどを扱う倉庫では注意が必要です。ダニの死骸やフンは、アレルギーや喘息の原因にもなり、従業員の健康リスクを高めます。

また、微細な害虫が製品に混入すると、製品不良として大きな損害につながる可能性も否定できません。ダニの増加は、従業員の健康リスクだけでなく取引に支障をきたす可能性があるため、適切な対応を施すことが重要です。

床が濡れて事故が起こる

梅雨時の結露や外部からの水の持ち込みにより、床が滑りやすくなるケースは少なくありません。特に、出入口付近や冷温機器の周辺などは、水滴がたまりやすく転倒事故が多発します。また、雨漏りに気づかず、雨で床が慣れることも珍しくありません。

労災リスクが増えるだけでなく、事故による作業中断や補償問題が生じるため、企業にとって大きな損失となります。床が濡れることで事故の発生リスクが上昇するだけでなく、カビやダニの増加にもつながるため、早急な対策が必要です。

設備・製品にサビや腐食の発生

湿気は金属部分のサビや腐食を引き起こす大きな原因となります。埼玉県の梅雨は、湿度が70%を超えることも少なくありません。そういった場合、機械の内部パーツや保管中の製品に目に見えないレベルで錆びが進行します。

たとえば、製造ラインで使用されるコンベアや配電盤、工具類などは、腐食によってパフォーマンスが低下します。最悪の場合、使用不能となることも珍しくありません。わずかなサビでも商品価値が著しく下がることがあり、取引先への納品ができなくなるケースもあります。

漏電

湿気が原因で最も深刻な被害の1つが、漏電です。工場や倉庫には多くの電気設備が稼働しています。湿気によって絶縁性能が低下すると、機器内部で電流が漏れるリスクが発生します。

漏電は感電事故や火災の原因となるだけでなく、製造ライン全体が停止するなど、生産活動に大きな支障をきたす恐れがあります。雨漏りに気づかず機械設備に水が浸入することもあり、気づいた時には大規模な修理が必要になることも少なくありません。

工場や倉庫で行える湿気対策

工場や倉庫の湿気対策は、シンプルな取り組みでも大きな効果を発揮します。ここでは、現場で今日から実践できる以下の4つの具体的な対策方法を紹介します。

  • 定期的に換気する
  • 空気を循環させる
  • 除湿器を設置する
  • 屋内外の温度差を減らす

定期的に換気する

湿気を外に逃がすためには、定期的な換気が欠かせません。特に、梅雨の時期は、湿気が屋内にこもりやすくなります。そのため、換気扇や排気口を活用して空気を入れ替えることが重要です。

可能であれば、作業時間外にも換気を行うことで、湿度の蓄積を防ぎやすくなります。たとえば、昼休憩などのタイミングで窓を開けて換気するだけで、建物内の空気を入れ替えられます。また、倉庫ではシャッターを一部開放して、自然通風を促すのも有効な方法です。

空気を循環させる

工場や倉庫の天井や建物の奥など空気が滞留する場所では、湿気が溜まりやすくなります。そのため、サーキュレーターや大型の業務用扇風機を使い空気を積極的に循環させなければ、カビやダニが増える原因になります。

そこで、空気を動かすことで局所的な湿度上昇を抑えることで、結露やカビの発生を防ぐことが可能です。特に、天井の高い工場では上下の温度差による湿気滞留を回避するため、上方向にも風を送る工夫が効果的です。

除湿器を設置する

効率的に湿度を下げるなら、業務用の除湿器の設置が非常に有効です。広い工場内でも、複数の除湿器をエリアごとに設置することで、均等な湿度コントロールが可能になります。

最新の除湿機には、湿度センサー付きで自動運転するタイプや省エネ設計のモデルもあります。適切な除湿器を選んで設置することで、運用コストを抑えることも可能です。特に、製品保管エリアでは、湿度40〜60%を目安に維持することが理想的です。

屋内外の温度差を減らす

工場や倉庫内と外気との温度差が大きいと、結露が発生しやすくなります。結露は金属の腐食やカビの原因となります。そのため、温度差を緩和して結露の発生を防ぐ工夫が必要です。

例えば、外壁や天井に断熱材を施工することで、外気温の影響を最小限に抑えられます。また、窓や扉を断熱性の高い素材のものに交換することも断熱性能の向上に効果があります。
エアコンの設定温度を急激に下げすぎず、緩やかな冷却を心がけるのも効果的です。

工場や倉庫で湿気が溜まりやすい場所


湿気対策を実施するうえで、特に注意すべき「湿気の溜まりやすい場所」を把握することは極めて重要です。以下に代表的なポイントを紹介します。

  • 壁面
  • 天井
  • 機械設備

壁面

外気との接触が多い壁面は、内部と外部の温度差によって結露が生じやすい箇所です。特に、コンクリートや金属製の壁面は冷たくなりやすく、水滴が付着するケースも少なくありません。雨漏りが起きている場合、壁面にも水が付着します。

このような箇所には、吸放湿性のある塗料や断熱パネルを施工することで、湿気の蓄積を防げます。また、壁際に荷物を密集させないように配置することもポイントです。断熱性能を向上させる塗料などもあるため、稼働している既存の建物にも施工が可能です。

床は湿気が沈殿しやすく、結露や水たまりの発生源になります。特に、地下や1階部分の床は地面からの湿気を吸収しやすく、発散しにくい場所です。そのため、湿度管理の盲点となってカビやダニの温床になることも珍しくありません。

床に防水性・防湿性のある塗装を施し、定期的な水分チェックを行うことで、トラブルを未然に防げます。すのこやパレットを活用して、荷物が床に直接接触しないように工夫することも、カビやダニの繁殖防止に効果的です。

天井

屋根裏や天井裏は空気が滞留しやすく、温度差により結露が発生する危険性があります。
特に、金属製の屋根では外気温の影響を受けやすく、内部に湿気がこもりやすくなります。また、雨漏りが発生している場合、天井は最も影響を受ける部分です。
断熱材や防湿シートを天井に施工することで、結露の発生を大幅に抑えることが可能です。また、断熱塗料などで塗装することも、天井の結露対策として効果があります。さらに、天井裏に換気口を設けることで、空気の流れを確保することも重要です。

機械設備

精密機器や制御盤などの電気設備は、湿気の影響を最も受けやすい箇所のひとつです。配線部分や可動部に湿気が入り込むことで、サビや漏電の原因になります。機械周辺には除湿機や送風機を設置し、常に乾燥した環境を保つようにしましょう。

また、定期的な点検と絶縁チェックを徹底することで、トラブルの予防にもつながります。機械設備に水分が入り込むと、修理が必要になるケースがあります。最悪の場合、設備の交換で莫大な費用がかかることもあるため、適切な結露対策をとることが重要です。

工場や倉庫の湿気対策で重要なポイント

湿気対策において特に注目すべきなのが、「相対湿度」と「温度差」の関係です。工場や倉庫内の空気が、冷たい壁や床と接触して露点温度を下回ると結露が発生し、カビや腐食の原因となります。

例えば、室内の温度が25℃で相対湿度が70%の場合、露点温度は約19℃です。この状況で19℃以下の表面に空気が触れれば、水分が水滴となって現れます。「湿度の管理=除湿」だけではなく、「温度差の緩和」も含めた包括的な対策が、安定した生産環境と設備保全のポイントです。

工場や倉庫の湿気対策で重要なポイント

以下のような条件を満たす倉庫や工場では、より入念な湿気対策が求められます。

  • 天井が高く広い工場
  • 窓が少ない工場
  • 温湿度管理が重要な工場

それぞれの特徴について、解説します。

天井が高く広い工場

天井の高い工場では、空気が上部に滞留しやすく、温度と湿度の偏りが発生しがちです。結果として、工場や倉庫の上部では結露が生じやすくなり、機械設備や配線への被害リスクが高まります。

このような施設では、空調管理だけでなく空気循環の設計が不可欠です。業務用の天井ファンや送風機を活用して、空気を上下方向にも動かすことが有効です。天井は空気の循環をさせにくい部分ですが、適切な設備を使うことで結露の発生を防げます。

窓が少ない工場

窓の少ない施設では自然換気が難しく、湿気が内部にこもりやすくなります。特に、倉庫や製品保管庫は長時間にわたり湿気が蓄積する環境です。そのため、建物の中でもカビやサビが発生しやすくなります。こうした施設では、強制換気設備の導入が必要です。

また、換気だけでなく湿度センサーを設置し、自動で除湿装置が作動するシステムも有効です。窓が少ないと換気もしづらいため、設備を使って除湿する必要があります。

温湿度管理が重要な工場

精密機器や電子部品、食品や医薬品などを取り扱う工場では、温湿度の管理が品質に直結します。こうした製品を扱う場合、湿気によるわずかな変化が製品不良や検査基準未達となることも珍しくありません。

デリケートな製品を扱う工場では、ゾーンごとの湿度コントロールと、データのログ取得が非常に重要です。さらに、トラブルが発生した際に即座に対応できるよう、点検スケジュールの徹底も欠かせません。

関東近郊、埼玉で工場の湿気対策をするならダイワ工業

埼玉県内で工場や倉庫の湿気対策を検討している企業には、ダイワ工業のご利用をおすすめします。ダイワ工業は地域密着型で、埼玉の気候特性を熟知した工場や倉庫の施工・管理提案を得意としています。

ダイワ工業では、結露対策塗装や断熱工事、換気設備の設置や除湿機の選定までワンストップで対応が可能です。現地調査からプラン提案まで丁寧に行っており、すでに多数の工場や倉庫で施工実績があります。埼玉で工場や倉庫の湿気対策をするならダイワ工業に相談してみてください。

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まとめ

この記事では、埼玉での工場や倉庫の湿気対策について解説しました。梅雨時期の埼玉では、工場や倉庫内の湿気対策が生産性・安全性を大きく左右します。カビや結露、漏電といったリスクを未然に防ぐためにも、対策の基本を押さえて現場環境に合った工夫が必要です。

湿気に悩まされている方は、まずは現場を見直し、必要に応じて専門業者に相談することをおすすめします。そして、適切な湿気対策を施し、工場や倉庫を適切に運営することを心がけましょう。

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