事例紹介:防音性能に、強度に、コスト、大型ボックスが乗り越えるべき課題②

大型の防音ボックスの場合、防音の性能はもちろんですが、
構造物としての強度や安全性、コストなども重要な問題となります。

前回に続き、弊社が手掛けた大型の防音ボックスについてお話ししていきます。

事例紹介:防音性能に、強度に、コスト、大型ボックスが乗り越えるべき課題①


前回の記事はこちら

弊社の防音ボックスには、高い吸音性能を持つ特殊プラスチック材を用いています。
軽量で手軽に設置でき、取り外しや持ち運びもスムーズに行えるのが利点です。

しかし今回のように1辺が約4mという大型の場合、軽量のプラスチック素材
どこまで構造的な強度を保てるか、そこはチャレンジでもありました。

軽量素材の持ち味を生かしつつ、強度を確保する

鉄骨などで頑丈な骨組みを造れば大型でも強度はクリアできますが、
それでは軽量プラスチック素材の手軽さやフレキシビリティーが損なわれてしまいます。

そこで考えたのが、プラスチックパネル1枚1枚を軽量の金属でフレーム加工し、
それをジョイントしていく方法です。

特殊プラスチック材は、一般的なプラスチック素材と違って強度はありますが、
パネルをフレームで囲むことでそれをさらに強化。最小限の鉄骨軽量材を主軸(骨組み)に使い、
建造物としての安全性や耐久性を確保しました。

お客様のコストを考えて、現場での施工を速やかに

もう一つ、大型ボックスの場合難しいのが、現場での組み立てです。
少人数で、速やかに安全に施工する。工場の日常業務に支障をきたさないためにも大切なことで、
短時間での施工はお客様のコスト的なメリットにもつながります。

そのため弊社では、鉄骨建築の経験をもつスタッフが、施工時の搬入や組み立ての手順を設計の段階から細かく想定。大型ボックスは現場の施工に1週間以上かかることも多いのですが、今回は3分の1ほどに大幅短縮することができました。

大型ボックスでは防音性能はもちろん、建造物としての強度や安全性、
施工の速やかさ、コスト面も考えるべき課題。

弊社では工場の設計・建築を数多く手掛けており、そこで磨いた技術や経験が、
こうした大型防音ボックスの製作にも生かされています。

 

↑特殊プラスチックパネルのサイズは1枚が1×2m。
3m超えの大型ボックスではパネルを継ぎ足したジョイント部分の強度が求められる

 

↑高さ3m以上の大きな扉もハンガーレール式の引き戸で開閉がスムーズに

鉄骨建築で
快適な社内環境を創造する

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